News

2026.10.22研究

ヒト血清アルブミンをアルカリ処理した際に生じる硫黄種を測定した研究成果がAntioxidants誌に掲載されました。

ヒトの血液中には、結合型硫黄(ポリスルフィドやパースルフィド)や硫化水素(H2S)が微量に存在しています。しかし、これらの濃度は測定方法によって大きく異なり、特に強いアルカリ性条件で処理すると、極めて高い値が得られることが報告されていました。そこで本研究では、ヒト血清アルブミンを用いてこの現象を詳細に検討しました。その結果、強いアルカリ性の条件では、アルブミンの分子内ジスルフィド結合を形成するシステイン残基の炭素–硫黄結合(C–S結合)が切断され、結合型硫黄や硫化水素が新たに生成することが明らかになりました。また、この過程でアルブミンの構造が変化し、一部が分解されることも確認されました。これらの結果から、アルカリ処理後の血漿中で検出されるmMレベルのポリスルフィドは、HSAの分子内ジスルフィド結合がアルカリ条件下で分解されることによって生じた人工的な生成物である可能性が高いと考えられます。本研究は、生体内の硫黄化合物を正確に測定するためには、強いアルカリ性の条件を避けることが重要であることを示しています。

Y Ogasawara et al. Antioxidants
https://www.mdpi.com/2076-3921/15/11/1379

Category